映像制作上の語彙開発やそこで必要となる技術開発を進めることは,(広く浅くとなれど)様々な分野の知識を意識し進めることを要求します。アイデア主体で進める場合はリファクタリングの際の負荷上昇などの弊害を生むため,形式的な発展性が見込める良いアプローチの模索が重要となります。本セッションでは,形式的に見た場合の数学的対象と映像制作的対象のアルゴリズムに関して,我々のアプローチを紹介します。特には,語彙開発から見たデータサイエンスについて話したいと思います。
近年,各種データを空間や図形のように「形」として捉える位相的データ解析は,めざましい発展をしてきており,様々な応用場面の問題に適用されて新たな発見をもたらしてきました。その中で,パーシステントホモロジーという解析手法はデータの「穴」の存在とスケールを記述することができます。そのアイデアについてお話しし,特に線形代数,表現論及びアルゴリズムの観点から紹介します。
私は,小学生の頃から数学やコンピュータに興味を持って来ました。1980年代以降は,いろいろなコンピュータプログラムを作成してきましたが,数学研究・教育においての必要な計算の他,様々なインタフェイスに関わるものが多くあります。最近は主に,数式処理 Risa/Asirを使っています。処理系や文字コード変換などがその例ですが,人とのインタフェイスとしては可視化が重要です。今回は,それを念頭に,いくつかのトピックをアルゴリズムという点にも念頭においてお話したい。