2014年度より取り組みを開始した,KSS Projects for Communicationの一つである「Low Dimensional Topology and Computer Graphics」について
KSS Projects for Communicationの各プロジェクトに関する問い合わせは,取りまとめを行っている世話人の長坂までお願いします。KSS全体でのマネージメントの関係から,問い合わせ窓口を世話人に一本化させて頂いております。ご理解をお願い致します。
新たな視点からの数学,計算機,特にコンピューターグラフィックスに関する議論を,KSS内外での議論においても育むべく,低次元位相幾何学を専門とする平澤准教授が取り組むものです。本プロジェクトでは,柔軟に数学者及びCG研究者の参加を奨励し,Studio Phones桐生氏から提供された,低次元位相幾何の様々なアルゴリズムを記述するためのコア実装を元に,その仕組みをKSS内外で紹介し,仕組みそのものの解体,再構築を含む,様々な挑戦を行っていくものです。特には,Kobe Studio Seminar for studies with Rendermanシリーズにおいて,Pixar社のRendermanを用いた様々な議論にその実装を積極的に用いていく,あるいは所属先である名古屋工業大においての自身の講義に用いてその仕組みを広く紹介していくことを目的としています。また,本プロジェクトに参加頂いた数学者やCG研究者とともにその仕組みの発展性を議論し,そこで得られた成果をとりまとめ,KSS内外で紹介していくことを目指して行きます。
代表者は,Studio Phones Fellowship Programの期間中,他のFellowship参加者とともに,桐生氏が提供した実装の理論的,実践的な発展性を模索していました。一方,桐生氏の提供した実装は様々なほかのアルゴリズムとの組み合わせを意識した設計で実装されており,そのコアの部分の改変が難しく,期間中はその仕組みを利用し,数学的な研究への着想を養うことを越えることが出来ませんでした。桐生氏からは本プロジェクトに向けて,その仕組みを改変し易い小ささをもってその一部を全体から抜き出したかたちで実装を提供されており,それをスタートとして進めています。よって本プロジェクトでは,その実装を理論的,あるいは具体的に改変し,再構築を伴う様々な発展を目指し,そこで得られた知見をその範囲でとりまとめ,数学的,あるいはコンピューターグラフィックスの視点から,その可能性を模索していく挑戦を続けて行きます。
本プロジェクトに参加頂いた数学者,CG研究者とともに,その参加者の責任において講義や研究などに使用し,そこで得られた知見を一つの実装にまとめていきます。成果である実装は,継続的に同様の姿勢での発展を繰り返し,更なる発展に繋がるよう継続し発展していきたいと考えています。この実装は数学などの知識を利用時には必要とするため,一般公開の予定はありません。しかし,一定の段階を経て,十二分な安定度となる実装に至った場合は,その仕様を論文ないしは学術的な記録として記載し,一般公開を考えて行きたいと考えています。